楽器に保険をかける?

何年か前に知り合いのバイオリン教師から聞いた話・・・教室で子供にレッスンしていた時、ちょっと休憩で椅子の上に弓を置き、その子には「この上に座っちゃダメよ!!」と注意して目を離した・・・そのスキに子供はしっかり椅子の上。小さい子供は「ダメ」と言われると、やりたくなる。サルトリーの弓は、ボコボコに折れておしゃかになっていた。幸い保険に入っていたので全損事故扱いとなり、弓の購入金額は戻ってきた・・・云々。この話を聞かされて、私は即、その保険屋さんを紹介してもらい、動産保険に加入した。楽器にかける動産保険には、いくつかの免責条件がある。

①危険担保地域は日本国内限定。海外に持ち出す場合は、再度保険をかけ直す必要がある。

②「盗難」に関する補償は、自宅や滞在先の部屋、あるいは楽屋等で、部屋に鍵がかかった状態で盗難事件が起きた場合はOK。窓ガラスが割られ、泥棒が室内に侵入した痕跡などが残っていることが必要条件。

③楽器を持ち歩いていて、何者かに、むりやり奪われた引っ手繰り(強盗)もOK。この種の盗難は補償される。その際に泥棒や強盗に襲われたことを証明する『警察の証明書』を取り付ける必要がある。

④しかし所有者の意思で第三者に楽器を貸す。あるいは工房にメンテナンス等に預けて返却されなかった場合は、「横領詐欺」となり補償の対象外。例えば美術館見学のため、楽器を持って入場できないのでクロークに預け、返却されなかった場合等は補償対象外になってしまう。

⑤補償されない車上放置や万引き〜
最近、車上荒しが増えているそうで、自動車に楽器を放置したまま車から離れた間に発生した盗難、いわゆる車上放置による盗難は保険対象外。

⑥置き引き・万引き(楽器から目を離したスキに盗られる=つまり所有者がボケーっとしている間に楽器が消えた場合)による盗難も保険金が出ない。電車の網棚にバイオリンのケースを置いて、うっかり置き忘れて紛失した場合もダメ。強盗に襲われて、目の前で強引に持っていってもらわないと保険がきかないのだ。

⑦その他、以下の事項にも保険はきかない。

★音質の変化
★天災(例:台風 地震 洪水などを含むすべての自然災害)暴動 戦争
★自然の瑕疵 (温度 湿度による変化)
★一部を修理(例えば表板の割れの損害を修理)した後、その楽器の価値が下 がったというような価値損害
★臨時費用 (修理先までの、電車代、飛行機代等)


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