左手で輪っかを作る練習

ずっとバイオリンを弾いてきて、昨年末にチェロに転向したせいか、私は弓の持ち方が、ついバイオリン風になってしまう時がある。弓を軽く浅く持つ傾向があるのだ。個人レッスンの先生には、棹に人差し指を絡めるように深めに持って、しっかり保持して弾くようにと注意されているが、なかなか改まらない。

先生がおっしゃるチェロ弓の持ち方は、バイオリン奏法でいうところのロシア楽派っぽいといえるだろうか?ロシア楽派の特徴は、運動量の多いボーイングによって豊かな音量を生みダイナミックな表現をするところにある。それを実現するには、弓を深めに持たないとダメなわけだ。ロシアや東欧の曲をやる場合は、濃厚な表情をつけてたっぷり歌う必要があるから、そんな方法が丁度いい。チェロは弓の重さも、弦に乗せる負荷もバイオリン以上なので、ロシア流にならざるを得ないのだろうか?

それから、A線を弾く時、駒に対して弓が水平にならず、向かって右斜め下に下がって行く傾向があることも指摘されている。これを矯正する方法として、驚くべきやり方を伝授された。画像①のように楽器のA線側の上コーナーに左手親指を当て、人差し指も使って半円を作る。親指と人差し指が作るこの輪の中に弓を通して弾く練習方法である(画像②)。

開放弦を弾いている当人の目には、ずいぶんと弓が左上方向に斜めに入ってゆくように見るが、鏡に映った姿を見れば、これで正解。確かに駒に対して水平方向に弓が移動している。

この辺は目の錯覚が悪さをしている部分もある。当人には水平に弾いているように見える角度は、実は弓があさっての方角を向いているのだ。時々、鏡を見ながら練習しないと妙なことになる。ミラー先生をあなどっては、イケナイ。


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