二股は無理かも

昨年の12月からチェロのレッスンを始めて10か月。この間、バイオリンは全然練習してこなかった。 ふと思い出して久しぶりにを弾いてみたら・・・

さいわい、左手はまだ大丈夫。楽譜を見れば自然に指が動いた(チェロでは指番号が欲しい状態が続いている)。 問題は右手。弓の重さが全然わからない(汗 

かつては59gの弓と61gの弓を持てば、2gの重量の違いを言い当てたのに、今では、どれも一様に軽く感じるだけ。78〜82gのチェロ弓に慣れてしまったので、60g前後のバイオリン弓は異様に軽くて、細くて、華奢で、変なものに見えてしまう。単なる棒切れを持っているような感触なのだ。

ボーイングの勘どころも忘れてしまったようで 、弓毛が隣の弦にやたらと接触する。ガリガリいう雑音が発生するありさまで、超初心者みたいな具合である。60g程度の弓では軽すぎて、過剰な力が入ってしまうため。そもそもバイオリンの音って、こんなに細くて軟弱だったかしらん(?)みたいな違和感もある。それに首と鎖骨の間に楽器を挟んで弾く姿勢が、ものすごく不自然に感じる。どれもチェロを始める前には、考えてもみなかったことである。体が覚えていたバイオリン関係の情報が、チェロの情報によって上書きされたみたいな感じなのだ。

私のバイオリン演奏歴は40年近い。アマオケでの演奏経験もいろいろある。途中でしばらく弾けない期間もあったが、そんな時でも楽器を手にすれば、すぐに感覚が戻ってくるのが、いつものパターンだった。しかし、チェロに転向したら、全然勘が戻ってこない。チェロが弾けるようになればなるほど、反比例してバイオリンの技術はどんどん消えてゆく。チェロとバイオリンを時々持ち替えて舞台に出たりして・・・なんて考えていたのだが、甘かった。

チェロに転向した理由のひとつは、五十肩を患って全然バイオリンが弾けなくなったことにある(東日本大震災で倒壊した棚から落ちた大量の書籍やCDの山を整理して、その日のうちに復旧させたのがいけなかった。普段やらない作業を無理して急いでやったら、肩が上がらなくなってしまった)。
ペグまで左手が届かないほど具合が悪かった症状は今では解消したが、以前のように自由にバイオリンを弾くのは、ちょっと無理。そんな体の都合とチェロの練習の進展が、ますますバイオリンを遠い存在にしてゆく。


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