特別展「中国 王朝の至宝」を見る

「中国 王朝の至宝」を見てきた。トーハクの特別展は規模は大きいが、中身は大味なこともある。今回は悪い予感が当たって、B級グルメ大会みたいな内容だった。

過去に日本で開催された中国文物展のカタログから選んだような、どこかで見たことがある作品が並んでいるから新味に乏しい。お茶を濁された感じがしなくもない。

紀元前の戦国時代あたりの出土品はそれなりに見映えもよかったが、南北朝から隋、唐以降になると出品物が貧相でチマチマしてくる。シルクロード交易が盛んだった国際都市長安に集積された文物は、こんなものじゃなかったはず。展示の6割が国宝級の「一級文物」といわれても実感がわかない。

もっか反日運動が盛んな国から出品された品々が、超一級品ばかりでずらりと固められていたら、日本人は、かの国の文化の厚みと懐の深さを痛感させられただろう。あの内容で日本の善男善女たちは、列をなして見学に行くのだろうか。主催者側に加わっているNHKが宣伝をするとしても、興行成績がどうなるか。

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1495

同時に開催している本館の「出雲展」は、古代日本最大の高層建築、出雲大社社殿の模型が出ていた(10分の1サイズ)。これは圧巻。模型でも5mぐらいあるから、仰ぎ見るとすごい迫力。東大寺大仏殿をしのぐ50m近い高さがあった実物は、いかばかりの巨大建築だったことか。画像の階段だけでも100mの長さがあったらしい。




にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村