弓フェア その2

弓フェアをやっていた楽器店から電話がかかってきた。先週見せてもらって音が気に入ったギヨームの金弓の件。若干、横反りしていたのを調整して、まっすぐに直したから、もう一度見てほしいとのこと。ほんとに修正できたのだろうか?チェロを背負ってお店に行ってきた。

問題の弓は、毛を緩めた状態では竿はまっすぐだった。しかし、毛を張ってテンションをかけたら、まだ横反りしていた。竿自体に癖があって反るのか、毛の状態が悪くて、テンションをかけると横に反るのか?原因はよくわからない。担当の店員さんは、あれれ??ってな顔をしていた。

今回、新たにギヨームの金弓2本を問屋から取り寄せてくれたそうで、そちらも試してみた。1本目は竿が若干柔らかく音がボケ気味。2本目は竿が太めで弾き心地はしっかりしていた。しかし音色に金弓らしい華やかさが不足して面白味に欠ける。弓は同一ブランドでも個体差が大きいから、相性が悪ければしょうがない。ガラスケースの中にずらりと並んだ弓を眺めてみたら、コストパフォーマンスの良さで注目されている工房の製品があった。金スペシャル、金、銀スペシャルを出してもらい弾いてみた。

スペシャルは悪くなかった。少し太めの竿で軽やかで明るい音が出る。音の輪郭が締って、はっきりした発音。値段を考えたらおつりがくる性能だった。その上の金弓は若干ウエットでほの暗いところがある音質。これなら銀弓の方が買い得感がある。最高ランクの金スペシャルは細身の竿で、材が硬くてかっちりしている。音離れが良くパリッとした明るい音が前に飛び出してくる。こういう感じはオールド弓のタッチを彷彿とさせる。およそ3倍の価格差があるギヨーム金と互角の勝負ができそうな水準なので驚いた。

クリーミーな音質のギヨームに対し、こちらはより明るくドライな雰囲気。オールド弓に通じるサラッと乾いた枯れた感じがする。性能に関しては上々だったが、この個体も毛を強めに張ると微妙に竿がねじれた。毛を緩めると竿はまっすぐなので、毛の張り方に難があるのかもしれない。そこで毛を張り替えてもらって、後日、再度チェックすることにした。いい加減な店では、毛のバランスが悪い弓は、手で毛を引っ張って片側を伸ばしてから客に渡したりする。そうでないことを期待しているが・・・?





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