グループレッスン 55

今日の会場は駅の近所の貸しスタジオだった。公立施設ではないのでしょうがないが、スペースが狭いため隣の人とぶつかりそう。落ち着いて弾けない場所なのが難点。

レッスンでは毎度の音階練習と、ウエルナーの2部にわかれる合奏曲や、第1ポジションと第4ポジションが混在する練習曲などをやった。

どちらも結構難しいので、メンバーの皆さんは四苦八苦していた。第1ポジションと第4ポジションを行ったり来たりする練習曲は、じっくり弾くと10分前後かかってしまう。ざっと弾くだけでも疲れてくる。

そういう精神状態だと、とりあえず最後まで全曲を弾き通せれば、難所はアバウトに弾き飛ばしていても、弾けた気分になってしまい、それで自己満足。練習しても身に付かないとS先生は仰せだった。

つまり、律義に全部を弾くのではなく、難しい部分をピックアップして、そこを重点的にさらうのが好ましいということだった。ウエルナーは無駄な繰り返しが多いので、取捨選択しないと時間のロスが多いという話は耳にする。

休憩後は個人指導の時間となり、S先生は一人ずつボーイングの状態をチェックして回られた。私のところにも来られて、しばらく様子を見てから、弓をアップからダウンに(あるいはその逆に)返す時に、バイオリン的な指弓の動きが出る(右手の構えが一瞬崩れて緩む)ことがあるとのご指摘だった。

この点は、個人レッスンのA先生からも注意されてきたので、意識的に右手を固めて弓を持つようにし、弓を返す時にふらつかないよう留意しているつもりなのだが。まだ、時々、本人が気が付かないレベルでバイオリンの癖が出ているらしい。

また、S先生とA先生は、弓の構え方に対する考えが正反対の立場なので、適宜、双方の指導内容を選択して、体に無理な負荷がかからないよう弾き方を工夫するようにとの注意も受けた。

個人レッスンで教わっているスズキメソードのA先生からは、右手は常に(アップの時もダウンの時も)左側に傾斜させるように指導されている。右の人差し指が左下方向に向けて加圧する型をキープして、人差し指で弓の竿を押さえる要領で圧力をかける方法を推奨なさっている。

ところがグループレッスンのS先生によると、この構え方は日本では広く普及しているが、音量は出るものの、硬い音質となり、楽器を響かせることは出来ないという。さらに右手を傾けることで結果的に右肘が上がってしまい、右肩にも余計な力が加わる悪い奏法だとも。

「演奏していると疲れませんか?」と質問されたのだが、確かに、A先生流の構えでは、●十肩の後遺症が残っている右肩に負担を感じるため長時間は弾いていられない。

S先生が推奨なさる弓の持ち方は、手首から下をだらんとさせて力を抜いた状態にして、そのフォルムのままで弓を持つというもの。これだと手の甲を無理に左側に傾斜させることはしない。脱力しているので、肩への負荷も少なく、疲れにくい姿勢といえる。楽器を強引に鳴かせるのではなく、自然体でふわっと響かせる奏法との説明だった。S先生からは、両方のメソードのいいとこどりでやって下さいね・・・とのお言葉を頂いた。


その後、いつものようにY夫人邸に移動して午後の自主連をやった。ゴルターマン「レリジオーソ」を合わせる。3度目となり途中で落ちる回数は随分と減った。というか3番奏者と4番奏者は、もうパーフェクトに弾けていた。一方、1番(私)と2番は苦戦。ハイポジションで音程が不安定になる状態をまだ克服できていない。

この他、いつもの「キラキラ星変奏曲」なども復習。フォルテ指定がある部分で弓を速く動かし過ぎて上滑りするのを防ぎ、芯のある太い音を出すためのコツ。力を溜めた遅いスピードでの運弓、ロングトーンの練習などを重点的にさらった。朝9時から夕方6時までの9時間、みっちりチェロを弾いた1日だった。







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