横浜フィルハーモニー管弦楽団演奏会

横浜市のみなとみらいのホールに、横浜フィルの第九演奏会を聞きに行った。オケ友が出るのでチケットを頂戴した。こういう場合、手土産は必須。

みなとみらいのホールが入っているクイーンズスクエアという巨大ショッピングモールでお菓子を探したが、どこにもそれらしき店がない。仕方ないので案内係りに聞いたら、ここにはお菓子屋さんはないという。大勢の人でごった返している場所なのに、信じられない(!)

しょうがないのでランドマークタワーまで戻って探したが、あそこにも見当たらない。上にいったり下にいったり、お菓子屋さんを探し回ってようやくマフィン屋を発見。彩りよくいくつかを選んで箱に入れてもらい、ホールの花束受付に預けた。

肝心の第九演奏だが、ナチュラルトランペット2本とピストンのある現代トランペット2本の混成でやっているのが珍しかった。ベートーヴェン時代に使われていたピストンがないタイプのトランペットは演奏は難しいが、古雅な響きが出るらしい。とはいえ、実際は音に輝かしさが不足して、埋もれ気味で冴えなかった。他のパートは現代楽器オンリーだから、相対的にナチュラルトランペットの音は負けてしまう。第3楽章では、なぜか全員現代楽器に持ち替えていたのは謎。

唱歌手はアルトのパートをカウンターテナーが歌っていたので男3人にソプラノ(女性1人)という変わった組み合わせ。カウンターテナーの歌手は、裏声でも声量はたっぷり。完全にソプラノを喰っていた。ソプラニスタ(男性のソプラノ歌手)を呼んで、4人とも男性に歌わせれば、声量バランスはそろったかも。

舞台背後のバルコニー席に陣取った合唱団は、ソニーの合唱クラブの面々。年配者が目立ったが、なかなか上手だった。

指揮は海老原光という方。いくつかの国際コンクールで受賞歴があるそうだ。体操選手みたいに体が柔らかいようで、派手な身振り手振りを交えての指揮だった。指揮者が飛んだり跳ねたり、バンバンあおっても、オケのメンバーは腰が引けてる感じがなきにしもあらず。後で友人に聞いたら、指揮者は大満足。団員は疲労困憊で、翌日は筋肉痛だそうだ。

楽譜はベーレンライター版を使用。演奏スタイルは、ベーレンライター版を使った演奏にありがちのステレオタイプ。せっかちというか、せかせかしたテンポで進んでいった。第1楽章が始まってまもなく、今後の展開が読めてしまい、終楽章まで予想通りに進んで、予想通り、そっけないテンポのまま終わった。とはいえ、アマオケが快速テンポで第九を弾いてしまうのだから、横浜フィルの技量はなかなかのものだ。

昨今のベートーヴェン演奏は、類型化が進んで指揮者の個性が感じられない気がする。19世紀の初期、ウィーンでは、ああいうコクがないテキパキスタイルで音楽をやっていたのだろうか?








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