シューベルト「ます」2回目のリハーサル

午前中はグループ・レッスンに出て、10月の発表会で弾く曲目の打ち合わせなどをやってもらった。

午後から車で1時間ほどかかる知人宅に移動し、シューベルトの「ます」の練習に参加。今回が2回目の合奏。8月9日に3回目のリハーサルをやり、そこで仕上げ、8月17日のアンサンブル会で披露する段取りになった。

3週間前の初回に比べて、皆さんの合奏がスムーズに合うようになってきた。途中でメトロノームの数字を譜面に記入し、今後の練習に役立てたいというビオラ奏者からのリクエストがあり、われわれが弾いている各変奏曲のテンポを機械で確認した。ちらっとビオラの譜面を見たら、ゴチャゴチャした細かい分散和音がびっしり。こりゃ大変。労多くしてあまり報われない縁の下の力持ちをやっておられる。

最初のテーマは遅めの速度で弾き始め、第2変奏〜第4変奏はスピードアップして小気味良く。スタッカートを意識して、指定がない部分も同様に歯切れよく弾くことになった。チェロが主役となる第5変奏では一転してスローダウン、その後の終曲で再度スピードをあげ、曲を締めくくる。

第5変奏のチェロパートには複付点音符がいっぱいある。他のパートにはそういうリズムの刻みがないため、微妙に食い違っているような印象があったのだが、それでいいことを確認した。 わたしは複付点が気になってちょっとアクセント気味に弾いていたら、バイオリン奏者からチェックが入った。リズムの角を丸めて、旋律をのどかに大らかに弾いた方がよいようだ。

また、それぞれの変奏曲の入りで呼吸を合わせることが重要で、再度バイオリン奏者から細かい指示が出た。息を吸うとか吐くとかのやり方とタイミングについてである。そこらじゅうで、「ス〜」「ハ〜」「ス〜」「ハ〜」とやる感じ。


最近、ベルリン・フィル・12人のチェリストのコンサートを見た人のブログから得た情報だが、首席奏者クアントLudwig Quandt (prinicpal cellist)の弓のフロッグに輪ゴムが付いていたという。弓にからげた輪ゴムのループに小指を通して弾いていたとか。クアントの画像を検索したら、確かに複数の輪ゴムを無造作に巻き付けている。天下のベルリン・フィルのトップがやっているとなると真似してみたくなる。
http://ameblo.jp/iphone-fan/entry-11895568046.html

「ます」を弾いている間、弓のフロッグに取り付けた輪ゴムのループに小指をからげたり、外したりして、どちらが弾きやすいか様子をみた。

結論は、輪ゴムを使った時の方がボーイングが安定した。ゴムの効果で弓が手に張り付いているため、5指全部を広げても弓が落下しない。つまり弓を「持つ」ことを意識しなくて済むのである。右手が完全にフリー化するから、脱力奏法がやりやすくなる。

「持つ」ための気配りを捨てても大丈夫ということは、余った力や意識を音楽的な表現に集中出来る。このメリットは大きい。ただし、弓の保持がしっかり安定するということは、言い方を変えると、自由に動く範囲が制約を受ける意味にもなる。また、これに慣れると、輪ゴムを外した状態が危なっかしく感じられ具合が悪かった。従来はそれで普通に弾いていたのだが。





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