予行演習的発表会

何度か舞台で演奏している駅近所の小ホール(サロンといった方が妥当)で、グループレッスンの発表会があった。くじ引きで決めた私の出番は最初。気楽でいいと思ったが、演奏の方は気楽とはいかなかった。

司会者が開演の挨拶と演奏者紹介など諸々のおしゃべりをしている間、5分ほどだろうか、冷房の吹き出し口の下で待機していたせいか、左手の指が冷えてスムーズに動かなくなり焦った。上がっているという自覚はないのだが、体は固くなっていたみたい。シューマンのロマンス作品94の第1曲は本調子が出ないまま。続く第2曲では指も回り始めたが、ノリが悪い状態で終わった(第3曲は今後の課題でお取り置き)。

あそこのステージに出る場合、直前まで手袋をしておくのがいいと感じた。同じ場所で、ピアニストがホットタオルで手を温めてから演奏するのを何度か見ているが、その理由がわかった。天井が低い構造だから、座る場所によっては、上から来るエアコンの冷気の効き目が通常より強いのだろう。

11月15日に同じ会場で個人レッスンを受けているチェロ教室の発表会がある。私は今日演奏したシューマンのロマンスを再度弾くことになっている。ということで、今日のグループレッスン発表会は予行演習みたいな気分で臨んだ。いつもは暗譜で弾ける状態まで弾き込んで、勝手に体が動く状態までもってきていたが、シューマンの暗譜は断念。よって現段階では弾き込みは不十分だった。

それにしても、ピアノが大いに活躍する曲だから、合わせるのはとても難しい。単なる伴奏ではない(音符がいっぱい並んだ)ピアノを聞いていると、どこでチェロが入るのかわからなくなってくる。ピアノを聞かなければ、もっと合わない。奇数拍子は、頭で数えていると居心地が悪くなるし。本番直前のリハーサルでも、2小節間の休符の後の入りがわからず止まってしまった。ピアノのパートも頭に入れておけばいいのだが、シューマンが書いた譜面を見ると目がチカチカ。お稽古名曲にない難しさを痛感しつつ随分と勉強になった。今の自分の技量で楽に弾ける曲を選んで、そつなく演奏すれば対外的にはいい結果になる。しかし、自分にとっては(?)本番では練習時の半分も弾けないのは今回に限らず毎度のことで、メンタルな弱点は、いつもながらの反省材料である。

他の方々は、チェロを習い始めて2年半で、よくぞここまでという精進ぶりを披露なさっていた。演目は「愛の挨拶」「ユーモレスク亜麻色の髪の乙女」「ダンス・ラスティク」「無伴奏チェロ組曲第3番サラバンド」「ヴォカリーズ」「鏡の中の鏡(アルヴォ・ペルト)」「歌の翼に」「無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード」「ウェルナー教本の練習曲」といった内容。去年の発表会とは大違いである。某氏の奥さんなどは、今夜から安眠できますと仰せ。旦那が弾くバッハの無伴奏プレリュードの深夜練習に連日付き合ってこられた由。






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