弦楽四重奏を聞く

弦楽四重奏団の演奏会を聞いた。60席ほどの小さなホールは満席。演目はグリークの弦楽四重奏曲と、ブラームス弦楽六重奏曲第1番(ゲストのチェロとビオラが参加)。

ヴァイオリン(ファーストとセカンド)とビオラ奏者は古めの楽器を使っておられた。一方、チェロは生まれたばかりの新作イタリアン。古い楽器に囲まれるとちょっと歩が悪い。

オールドやモダン楽器は、近くでは柔らかくふんわりと聞こえるが、客席には輪郭がはっきりした芯のある音が届く。一方、新作の音はソフトフォーカスで拡散気味。他の楽音にマスキングされてしまうところがあった。

ブラームスの6重奏曲ではチェロは2本になる。もうお一人のチェリストが弾いていたモダン楽器は、前に出てくる伸びのいい発音がいかにも年季が入っている感じ。新作チェロの音はちょっと詰まり気味で、奥の方に引っ込んでいる。抜けが悪くてこもっているのだ。シルバートーンを新作に求めても所詮は無い物ねだり。単独で聞けば若い楽器もそれなりに楽しめるだろうが、古い楽器が集ったアンサンブルでは弱点が目立ってしまう。そんなことを感じながら演奏を聞いていた。


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