ヴァイオリン教室 #79

I先生が産休に入ったため、今月から年末までO先生による単独指導が行われることになった。今日は課題続出で、今後レッスンのスピードが大幅にアップしてゆきそうな予感がする。まずは「新しいバイオリン教本第2巻」の29番の復習から。

つぎに32番ヴェルコヴィッチの「ポルカ」。最初にスタッカートの弾き方の復習。アクセントではないので音量の変更はしない。音を短く切るだけ。スタッカートでグイっと押し込む弾き方をしがちなので要注意。さらに中間部に出てくる4重音の練習をじっくりやった。4つの重音を柔らかく響かせるのは難しい。こういう場合、チェロの先生は低音側に軸足を置いた弾き方を推奨していたが、O先生はどの音も一番きれいに響くポイントを探して弾くのが好ましいとの見解。ごもっとも。とはいえ4重音をかすれずに均一に響かせるのは難しく、私の場合G-E-C-Gとある4重音の下から2番目のEが弱い傾向があると先生に指摘された。ここでロシア語教本から2曲、重音の練習曲をさらってくる宿題が出た。


次に34番ベートーヴェンの「トルコ行進曲」。アクセントとスタッカートが混在するので、それらを正確に弾き分ける練習をした。さらに35番モーツアルトの「ドン・ジョバンニメヌエット」。オペラの中では第1幕フィナーレ「3つのオーケストラの場」で鳴る旋律である。最初にメヌエット(3/4拍子)が始まり、途中からコントルダンス(2/4拍子)、さらにドイツ舞曲(3/8拍子)という拍子が異なる3種類の舞曲が加わって同時演奏される。それぞれの舞曲は踊り手(群衆)の社会階級に対応しているらしいが、音楽だけ聴いていると分裂症的なギャグっぽい演出に思える。モーツアルトには時々この手の対位法的な離れ業が見られ、一番有名なのは交響曲第41番「ジュピター」終楽章のコーダ。「ドン・ジョバンニメヌエット」では、先生からはテヌート記号のある音の性格付けについての説明があった。

さらに36番「マジャールの踊り」で出てくる弓を飛ばして弾くスタッカートの練習をした。テキストには弓を中央で軽くはずませると書いてあるが、完全にコントロールされた状態で弓を飛ばす必要があるため、弦に弓毛が当たった点でひっかけて(噛ませて)さっと弾く練習に時間が割かれた。人差し指は脱力させ、中指と薬指で弓をしっかり保持する。小指に力を入れ過ぎてつっぱらないように弓を持って、バウンドさせる練習を繰り返した。単純にポンポンと弓を跳ね上がらせるのではなく、噛ませた瞬間にパリッと発音させ、すぐに弓を引き上げる感じ。「マジャールの踊り」は楽譜が改変されたようで、私が持っている10刷(昭和49年発行)ではトリオの5小節目と7小節目の最初の十六分音符にはスタッカートが付いてないが、最近の版ではそれがあるらしい。

これで終わりかと思ったら、44番「移弦の練習」と45番「アリア」に出てくる移弦の練習を最後にやった。右肘は固定気味にして手首から先をしなやかに上下させて移弦を繰り返す練習。私の場合、音の頭と尻尾を大切に弾くようにとの注意を受けた。音を切り上げるタイミングが若干早目になる傾向があるので、ギリギリまで音の長さをキープして弾き切るようにとのこと。移弦を繰り返す場合、次の音の準備を気にして、はしょりたくなるのを我慢する。今日は随分と密度の濃い盛りだくさんなレッスンだった。





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