抹茶羊羹みたいな松脂

ちょっと見、抹茶羊羹ないしは抹茶プリンみたいな松脂がある。 黒猫で有名なフランスの松脂メーカーの《JADE》 翡翠とか玉の意味がある名前なので、色から言っても翡翠のイメージだが、私は食べ物を連想してしまう。

売店の宣伝文は、こんな感じ・・・

JADEは、フランス製のヴァイオリンからチェロまで使えるオールマイティの松脂として知られています。一般的な松脂に比べどちらかというと柔らかく、弓への吸い付きが非常に良く、塗りやすい松脂です。また、演奏時に松脂粉の吹き上がりや胴への落ちる量が非常に少ないのが特徴です。引っかかりも良く高音を使用する上級曲演奏者にはオススメです。注意していただきたい点は、弓に塗る際、粉が飛び散らず、また少しの量で弓の毛に付着しますので、すでに松脂が充分に塗られていることに気付かず、塗りすぎてしまうことがあります。適度に試奏しながら塗り具合を確認しましょう。


抹茶羊羹風の外見が気になっていたので、取り寄せてチェロ弓で試してみた。
なるほど柔らかいタッチで弦への食いつきが良いのは間違いない。粘り気が多い弾き心地だが、音質はあまり粘らない。べたつきは感じられなく、むしろサラッとした印象である。

弓をいろいろ交換して塗ってみたが、どれもJADEの音に均一化されてしまうところがあった。つまり高音の倍音成分が若干マスキングされる傾向があって、少し詰まったというか、中音域主体のバランスになるのだ。

それゆえ、音色が尖って暴れ気味な状態の楽器や弓に合わせてやると、ほどよく角が取れて丸く収まる効果がある。A線が金属的な鳴り方をしている場合などは、まろやかな音色に調整してくれる。ギヨーム松脂のような透明感のある高音は期待できないが、現行ベルナルデルのような乾いた軽快な音色が好きで、さらに強い粘り気が欲しい人には好まれるだろう。 楽器がゆったりと鳴るのでチェロ用としては悪くない。バイオリンではマット系の音色の癖が強く出過ぎるかもしれない。







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