チェロのレッスン 56

マルチェロソナタホ短調の9回目。

今回も前回同様、芯のある音を図太い音量で弾くためのボーイングに時間を割いた。 音量が出る、出ないは、アマチュアとプロの決定的な違いのひとつである。出来るだけ先生が出すようなたくましい音を真似して、大きな音で弾けるようになりたいものだ。

① 元弓から中弓までを使って弾く場合は、右脇を閉めて腕をがっちり固めて弾く。とはいうものの、これはイメージ上でそうなるということで、実際は右肘を弓の動きに連動させ積極的に動かす必要がある。肘は低めにキープし、弓を持つ右手首は丸くして、しなやかさを保つ。弓のフロッグを押さえている小指がふらついてはダメで、しっかりさせる。

② 中弓から先弓を使って弾く場合は、脇が開く。その場合も、右肘の位置は低めにして弓に圧を乗せ続けるようにする。

ロングトーンの最中で音抜けが起こるのは、弓指を使って弓身を寝かしたり、起こしたりしているから。弦に接する弓毛の角度は一定に保つように留意して弾くと、弓身のぐらつきが防げる。

④ 弾き始めに無用なアクセントを付けてはならないが、音の立ち上がりはくっきりさせることが肝要。そのためには弓毛を弦に噛ませて、十分に腕の重みをかけてから弾き始めるようにする。音符が混み合ってくると、この辺がいい加減になってくる。細かいところも、あわてず騒がず。じっとりと重みのある音を出すように意識する。

⑤ 2楽章の最後のトリルを弾く時、必要以上に弓を使ってしまう。そのため、次のEを弾くための弓が不足し、焦って無用なバタツキが生じている。弓を使う分量はしっかり計算して弾く必要がある。

⑥ 自宅で練習する際に、ミュートを装着する習慣があると、楽器を豊かに鳴らす技術の習得は難しくなる。ミュートは必要悪なので、ミュートを付けても、大きな音量で弾くことが肝要とのお話だった。ミュートを付ける必要性を考慮すると矛盾する話だが、しょうがない。






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