チェロのレッスン 63

チェロを始めて21ケ月。1ヶ月3回×21=63回目のレッスンとなる今日から、スズキ教本第5巻に入った。第4巻は昨年9月から今年の8月まで1年かかった(その内、半年間はブレヴァールのソナタ1曲だけやっていた)。第5巻は、ヴィヴァルディ、スクワイヤ、バッハ、ゴルターマンの4曲を収録している。長い曲が多いから、1年以内に終わるかどうか?

まずは1曲目のヴィヴァルディのソナタホ短調から。このソナタは4楽章まであって、テノール記号とヘ音記号が出てくる。第1楽章(ラルゴ)はテノール記号のみの曲で、第2楽章はヘ音記号のみ。ここまではいいとして、第3、第4楽章になると、曲の途中でテノール記号からヘ音記号に変わり、その後またテノール記号に入れ替わったりする。

習ったばかりのテノール記号は苦手。予習段階で譜面にドレミファ・・・と音名を記入してしまった。そうしないと、とっさには何の音だか分からない。ヘ音記号なら読めるようになってきたのだが(ト音記号はバイオリンをやっていたので読める)。

今日のレッスンでは第1楽章のフィンガリングを教わった。ポジション移動で対応すべきか、拡張で弾くべきか・・・と迷った箇所があるから、指使いは先生にお任せ。A先生は、プラルトリラーやトリルの類は、上から下にかける方法を指定された。プラルトリラーは2回弾くそうだ。

10小節や16小節に出ている32分音符は、拡張ではなくポジション移動で対応するようにとも。ラルゴでゆるゆる弾いているように見えて、実は微妙に忙しい仕事が要求される。また遅いテンポでロングトーンを、かすれず、尻すぼみにせず、豊かな音量で弾き通すのも難しいところ。

おけいこ用には丁度いい曲だが、テキスト付属の模範演奏CDを聴いても、バッハのガンバ・ソナタヘンデルのバイオリン・ソナタのような、心にずしりと、ないしはしみじみと響いてくるものがない印象を受ける。

ヴィヴァルディは衒学的な音楽を書いた人だったと、その昔、皆川達夫先生の著書で読んだことがあるのを思い出した。シラ〜ッとした鉄面皮みたいなポーカーフェイス。しかし、きれいに整った形式を作るのが上手だった人。どちらかといえば、技術を教える教師がこの人のポジションだったらしい。

コレッリの大人(たいじん)の風格、ヘンデルの壮麗、バッハの緻密、テレマンのフレンドリーな親しみやすさ、そういった要素はヴィヴァルディの音楽には欠けているかもしれない。「ほとけ作って魂入れず」みたいなコクが足りない場合もある職人芸であっても、1960年頃のイ・ムジチみたいな歌心満載のスタイルで演奏すると、音楽は生気を帯びて、艶やかに微笑みかけてくる。







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