きらきら星は甘くない その2

グループレッスンのメンバーとの勉強会の第2回をやった。スズキ教本第1巻最初の「きらきら星変奏曲」の2回目である。

いつものY夫人邸に集まったのは3名。今回は変奏曲の3番目、八分音符と十六分音符が連続して出てくる部分を重点的にさらった。楽譜を見るとはじめの八分音符にだけスタッカートが付いている。譜面の指定通りにスタッカートの有無を弾き分けるのは、簡単そうだがそうでもない。全部スタッカート付きになってしまったり、その逆になったりで、ぐちゃぐちゃになる事態が続出。また、弓を使う分量配分を考えて、運弓量を一定に揃えることがうまくできないので、だんだんリズムが崩れてくる。この対策として、Y夫人がお持ちのシール(3mm角ぐらいの微小サイズのシール。動物の顔などが印刷されている)を頂戴し、みなさんの弓竿の中央に猫の顔か何かを貼ってもらった。

それを目安にして、最初の八分音符はダウンの全弓で弾き(マルテレ奏法で一気に弾く)、続く十六分音符2個は、弓先からシールのある中央までの上半弓だけで弾く。同じフレーズの後半では、最初の八分音符はアップの全弓、次の十六分音符2個は弓元からシールのある中央までの下半弓だけで弾く。この繰り返しで3番目の変奏曲を最後までやってもらった。

結果は、音がかすれる。勢い余って弓が駒の向こう側(テールピース側)に脱線する・・・など、かなり大変なことになった。原因は、弓と弦とが直角に交差して接していないためである。弓のヘッドがあさっての方角を向いているのを修正しないと、ロスが多くて発音効率が悪い。説明内容は納得してもらえたが、頭では理解できても、手は言うことを聞かない。すぐにボーイングが安定するところまではいかなかった。

グループレッスンでチェロを始めて1年半になる方々だが、どなたも「きらきら星変奏曲」は、難っかしぃ〜と仰っていた。今年の6月にあった発表会で、第3巻の曲にチャレンジした方がおられるのだが、第1巻最初の曲が満足に弾けないのに、第3巻に挑戦したのは無謀だったと反省の弁も。それはそれで勉強になったと思うが、こちらの勉強会では、当分の間「きらきら星変奏曲」を、みっちりやってゆくことになりそうだ。正確な音程、正確なリズム、豊かでムラのない音量、雑音が混ざらないきれいな音色、これらの条件をクリアして弾けるまで。



にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村