PEDIのチタンアジャスターを試してみる

バイオリンに復帰してまだ日が浅いが、いろいろと試したい衝動が蘇ってきている。ということで、E線アジャスターを新規購入した(アジャスター類は6つも7つも余っているのに)。現在、私のバイオリンにはGotzのHillモデルのアジャスターを付けている。今回、以前から気になっていたPEDIのチタンアジャスターを試してみることにした。購入先は楽天市場http://item.rakuten.co.jp/violinjp/finetuner005/?scid=af_pc_link_txt&sc2id=281460402

チタンは軽い割に強度がある金属。バイオリンのテールコードやチェロのエンドピンでもチタン製品を試しているが、独特の明るくて乾いた音色が気になるため普段使いはしてない。音質が素直じゃなくなるほど、チタンは癖が強いからである。

バイオリンのE線アジャスターをチタンにすると、チタン特有の金属臭が加味される可能性が想定されたが、それでも、わずか3gしかないという軽量化によるメリットがどの程度なのか、実物を取り寄せて確認してみることにした。

PEDIのチタンアジャスターは2つのパーツを一体成形した製品で、削り出し加工で極端に薄くされたブリッジ部分がしなって可動しピッチの微調整をする構造になっている。金属疲労が気になるが、パッケージには1000回以上は大丈夫と書いてある。ループとボールエンド兼用なので弦を選ばない点は重宝する。鉄製の兼用タイプのアジャスターも売られているが、見た目も音も安っぽいため使う気にならない。

チタン製アジャスターの音はHillモデルに比べると、いくらかスリム化してくるようだ。細身ながらピュアで雑味の少ない高音が伸びやかに出る。チタン特有の金属臭を伴う音質も気に障るほどではない。Gotzに戻すとガチっと固めた強靭な発音となり、音色にメタリックな鋭さが増してくる。使用したE線はピラストロのオイドクサ(アルミ巻)。

Gio Batta Morassi(1983)に装着した場合は、予想外なことにGotz もPEDIも音色にそれほどの大差は出なかった。楽器自体のキャラが強いためアジャスターを変えたぐらいでは動じないのかもしれない。音質の変化は少ないが、音の伸びはチタンの方が優れている。

Ivano Coratti(1996)では、PEDIはスルスルと伸びる滑らかな発音、Gotzはパワフルで引き締まったソリッドな音となり、性能差がハッキリ出てきた。どちらも一長一短で甲乙つけがたいが、アジャスターは簡単に交換できるパーツ。その日の気分で変えて遊べばいいのではないかと思う。厳格な技術者は、素人が勝手にいじるものではないと小言をいいそうだが。







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