チェロのレッスン 116

前回に続き、バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」を見てもらった。S先生から2曲目のアルマンドはフレーズの区切りがどこにあるかを意識して弾くよう注意された。楽譜の音符を機械的に音にしていて練習曲みたいに聞こえるのだという。この曲には長いスラーを付けている楽譜もあるように、息の長いなだらかな流れを伴う演奏が望ましいとのこと。私のアルマンドは、ボコボコ、カクカク、ゴトゴト。「バッハの音楽は弾き手が演出を考える必要はない。淡々と弾いているだけで立派な音楽がそびえ立ってくる。お祈りの言葉を唱えるように無心に弾きなさい」とは私が参加している弦楽アンサンブルの指揮者の先生の持論。過度な表情を付け過ぎないよう自制して、しかしフレーズの流れは意識する弾き方が妥当なのだろう。

3曲目のクーラントはテンポの設定を間違えないようにと注意された。最初は簡単なのでホイホイ弾けちゃうが、後半がしんどくなるのだ。急ぎ過ぎないテンポで弾き始めないと途中からアタフタすることになる。10回弾いて一度も間違えないで弾けるスピードで練習しないと意味ないという話を耳にしたが、確かにそうである。急がば回れ

14小節からの16分音符の連続箇所では、指がパタパタしているという。1の指で弾いた後、瞬間的に他の指が1の指にくっつきたがる傾向があるとのこと。閉じた指を再度開いて次の音を押さえる→また指同士がくっつく→また開いて弾く・・・のくり返し。S先生は、そういう悪しき弾き方を私に見せるために真似ようとされたが上手く出来なかった。開いた指の型は崩さずに指板上に保持すると効率がいいのは理解出来るが、意識して指を広げたままキープすると手が疲れてくる。弦を押さえるための筋力が弱いので、筋肉を緊張させると直ぐに脱力したくなるのだ。それでパタパタ現象が起こる。問題を解決するには指の筋トレが必要だろう。ちなみに指同士の間隔を狭く取る癖はヴァイオリン奏法の影響があるのかもしれない。

5曲目のメヌエット。後半のニ短調になってからの音程が怪しいとのこと。ごもっともなご指摘。音程を若干高めに取りたがる私にとって、フラット記号は鬼門なのだ。S先生がコツを教えて下さった。そういう場合、ド、ソ、レの音程を確実に正確に弾くと、他の音が多少甘くても、あまり目立たなくなるらしい。開放弦で音程が確認出来るので、この3つの音はしっかり弾くといいそうだ。

6曲目のジーグを弾いていたら次の時間枠の生徒さん(チェロの人とピアノの人)が教室のドアの外で待機しているのが見えた。室内に入ってもらったが、気ぜわしくなってしまいジーグは慌ただしく弾いてオシマイ。全曲を見ていただく場合、60分では時間が足りない。



にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ
にほんブログ村