チェロのレッスン 133

バッハ「無伴奏チェロ組曲第2番」の8回目。全曲を演奏するか抜粋にするかはまだ未定だが、8月中旬の発表会で弾いてみることにした。40代でチェロを始めた人がSNSで募集をかけ毎年夏に開催している発表会である。私は4回目の参加となる。今年は案内が遅れて開催が危ぶまれていたが、ホールは1年前から押さえてあるので決行することとなった。決まったのが最近だったので参加者は9名と少ない。時間が余るから希望者には2度目、3度目のステージ使用が認められるそうだ。ならば2番を2回演奏するか、昨年弾いた1番を弾くか・・・

第2番のレッスンはようやく2曲目のアルマンドに入ったところである。O先生に事情をお話しして、フィンガリングの確認を中心に全曲を大急ぎで見ていただいた。バッハの音楽に余計な演出は不要という意見(弦楽アンサンブルの指揮者の発言)に従って、プレリュードをお経を棒読みするみたいに平坦に弾いてみた。先生はもっと表情に変化をつけてみたらどうかとのご意見。ごもっともである。とはいえO先生が祈りの音楽と仰る2番を濃く演奏するのもどうかと思う。薄口で微妙な変化があるぐらいにとどめておこうか。最後に出てくる重音の連続をトルトゥリエ版の分散和音で弾くのも、なるべく軽やかにしたいからである。昔のちゃんばら映画に出てくる真剣白刃取りみたいなヘビーな表現は敬遠したい。

アルマンドの途中で何度か出てくる低音は、力任せにドスンと弾く傾向があるらしい(本人はそこまで意識してなかった)。抑制を効かせた深みのある音で弾くようにとの注意を受けた。ニュアンスが足りない単なる強音ではダメということ。クーラントはいくらか指使いの変更があった。サラバンドには付点四分音符の直後に十六分音符2つがセットになっている部分が多い。そういう箇所では付点音符を長く引っ張った反動で、続く十六分音符の長さを端折って短く弾く傾向があるとのこと。遅いテンポで均等なリズムを刻み続けるのは案外難しい。

メヌエット1は最初の重音の弾き方にチェックが入った。左肘を高めにして左手首を曲げすぎないように弾くといいとのこと。現状は肘が下がり、手首が蛇の鎌首みたいに曲がっているそうだ。そういう姿勢をとり続けると手首が故障するかもしれないとのこと。肘が上がらないのは○十肩の影響もあるが、難しい指使いが連続するので、手の構えに四苦八苦していた場所である。肘の高さで調整することは考えてなかった。重音は個々の音の音程をひとつずつ確認してから重ねて弾く練習をするようにとのこと。指使いをどうするか迷う箇所が少なくなかったので、先生に相談してすっきりした。例えば17小節の冒頭のBとFisの重音(トリル付き)はA線解放弦を1〜0でトリルしていいとか。解放弦でのトリルは音色はイマイチだが、ハイポジションを使うよりは楽である。メヌエット1をさらっと弾けるまでの道のりは遠い。続くメヌエット2はぐっと弾きやすくなる。最後のジーグも弾きなれてゆけば大丈夫だろうとのことだった。

第2番は秋に開催される教室の発表会で弾く予定でレッスンを進めていたため進捗は遅め。8月中旬の全曲披露は予定外で間に合いそうもない(メヌエット1の重音が問題なのだ)。秋の発表会のための予行演習のつもりで弾いてみることになりそうだ。



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