チェロ・アンサンブル #5

毎月2回やっているアンサンブル勉強会、7月は今日が最初。曲目は前回と同じ。ゴルターマン「ノクターン」、シベリウスフィンランディア賛歌」、ゴルターマン「アンダンテ・レリジオーソ」の3曲をさらった。今回は柔らかくて量感豊かな音を出すにはどうすればいいのだろうかという話になった。

レイトの初心者に多いガサガサした音を克服するのは簡単ではない。S先生によれば、弦と弓毛が直角に交差しないことによる音のかすれ現象が、音が痩せてハスキーな音色になる主な原因とのお話だった。駒と指板の間を、常時水平に弓が動けば問題ない。しかし斜め方向や上下方向に弓が滑ってしまう人は少なくない。開放弦では水平ボーイングが安定して出来る人でも、曲を弾き始めると左手の音程で忙しくなり、右手のボーイングまで気が回らなくなる。それで弓が上下・斜めにずれて動き始める。ずれたまま弾くため芯のある太い音が出ず、かすれ気味になってくる。

あるいは、弓の上半分だけを使って弾いている人もいた。豊かで柔らかい音が欲しければ元弓から中弓のあたりを使うのが効果的である。弓先になるほど細身の音質になってゆくから、そこを多用していると、柔らかくて充実した音は出しにくい。また、同じ音符を弾く場合でも、半弓でこじんまりと弾くより、全弓のストロークを活用してやると音量は増える。弓の運動幅と弦の振動の関係は物理現象だから、どういう状態で摩擦を起こしてやると、最も効率よく弦が振動するかを考えれば、望ましいボーイングのあり方が分かってくる。

楽譜にピアノと書いてあるところは、単純に弱音にすればいいというわけではなく、芯のある明晰な音質で音量だけ下げるように弾くことが肝要。ピアノだからといって、かすれたり、ボケボケ・モヤモヤの音で弾くのは間違い。反対にフォルテ指定の箇所では柔らかい音質を心がける。硬い音でガシガシ弾くのは勘違い・・・そんな話題が出たレッスンだった。



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