チェロのレッスン 122 

相変わらずバッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」の続き。プレリュードでは冒頭の開放弦Gの音を強調しすぎたため、アクセンになっているように聞こえるとのご指摘。もっと柔らかく深みのある響かせ方を研究する必要があるとのこと。この曲のCDをいろいろ聞くと、フレーズの頭の音を若干伸ばして「タメ」を入れるような、あるいは「こぶし」を効かせるような弾き方をする人がいる。楽譜に書いてない演出だが、その点の是非を質問したら、「わたしでもそう弾くことがあります」。
四角四面で弾くよりも融通無碍の方が弾きやすいし、聴き手も心地よくなるだろうとのご意見だった。ごもっともである。とはいえ、最初から崩して弾くのはいかがなものかと思う。楷書体できっちり弾けるよう練習してから、節度ある歌い方にチャレンジしてみるのがよろしかろう。語るようなねっとりした表情付けはバッハの場合は好みじゃないので、ほどほどに。

メヌエットでは冒頭3拍目に出てくる8分音符と16分音符2個の組み合わせのフレーズを丁寧にじっくり響かせるようにとの注意を受けた。わたしの弾き方は上滑り気味になっているとのこと。以下、同様のフレーズに注意。メヌエット1の最後の2小節。そこもインテンポでスイスイ弾くため、滑っているように聞こるらしい。じっくりと腰を据えて音楽の流れを閉じる必要がある場所だから、軽くリタルダンドするのがいいようだ。後ろから2小節目の3拍目Dは特に音程に注意するようにとのご指摘だった。確かにどっしり感が欲しい音である。

「演奏がだんだん垢抜けてきましたね」とのご講評。弾き込んでいるため、音楽が徐々にスムーズに流れるようになってきているのだろう。技術的な問題点をひとつずつ克服して、表現の仕方に練習の比重が移行している結果かもしれない。ただし、全般にガシガシと気合を入れて弾き過ぎる傾向があるため、楽器が嫌がっているみたいに聞こえるらしい。雄大な太い音を目指しているつもりだが、「もっと楽器を信頼して弾いてやって下さい」とのご意見だった。鳴らすのではなく響かせる弾き方を研究する必要がある。課題は次から次に出てくる。お教室主催の発表会は10月25日。残り12週間、どこまで磨きがかけられるか・・・。




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