チェロのレッスン 125

来週の発表会にそなえて弦を1年ぶりに交換した。弦の種類は従来通り。下2本はスピロコア(クローム巻)、上2本はラーセン(ノーマルのミディアム)というありふれた組み合わせである。

1年間使っても弦の劣化がどの程度進んでいるのかよく分からず、特に不満は感じていなかった。発音が鈍重になっていたのは新しい弦に張り替えるとすぐわかったが、交換しないと案外自覚出来ないものだ。

新しい弦の弾き味は、軽快でまろやか。こんなに穏やかな柔らかい音質の楽器だった?・・・みたいな感じである。古い弦の時はカチッと締まった凝縮傾向の音だったのが、新しい弦では柔らかいというか芯がふやけて拡散気味に感じる。特にスピロコアは随分とほぐれた印象で、細かい倍音がいっぱい出ている。ラーセンは、時々ひっくりかえって、ひしゃげたようなビヨーンという雑音が混ざる。まだ、馴染んでいないためだろう。

そんな状態で個人レッスンを受けた。曲はバッハの無伴奏組曲第1番。新しい弦はどことなく頼りない感じで音がかすれ気味。なので右手に余計な力が入ってしまう。弦をしっかり鳴らそうとして右手が力むと、同時に左手も固くなる悪循環。全曲を通して弾いたらドッと疲れてしまった。

先生から、無理に鳴らそうとするのは逆効果。特に重音は脱力して柔らかく弾くようにとの注意を受けた。本番まで残り数日。新しい弦が落ち着いてくれない場合は、セカンド楽器を使おうかと考えたり。「チェロ弦の交換は本番の2週間以上前にして下さい」と楽器屋さんから聞いていたことを思い出した。

帰宅してからエンドピンをボガーロ&クレメンテのドライカーボン(中空パイプ)から見附精機工業のクワルテットに交換。弦をペグに巻きつける分量も変えたり・・・といろいろやってみた。クワルテットは、タングステン、チタン、カーボン、真鍮の4素材を複合した凝った造りのエンドピンだが、オールド楽器には重すぎるようで、普通のカーボン(芯有り)に落ち着いた。弾き心地はかなり変化し、発音が引き締まってきた。微妙なものである。



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