ヴァイオリン教室#32

レッスンの前半1時間はロングトーンでの音階練習をやった。駒寄りを弾いてのフォルテと、指板寄りを弾くピアノを交互に。後半1時間は「新しいバイオリン教本」第1巻の56番「子供とこぶた」、55番「雨だれ」の2曲を練習した。2曲とも簡単な重音が出てくる箇所を重点的にさらった。片方がEかAの開放弦を使う重音を柔らかく響かせるのは簡単そうで簡単でない。

私の隣にいる教室の幹事役の女性は、何を勘違いしたかヴァイオリンではなく中国の弦楽器「二胡」を持ってきていた。午前中に二胡の練習をしたそうで、そのままケースを背負って練習場まで自転車で来てしまったという。二胡のケースは黒くて細長い。彼女のヴァイオリンケースはシルバー塗装のBAMの三角形。外見が違うから間違うはずないのだが、何か考え事をしていたのかも。ご当人は完全にヴァイオリンを持ってるつもりだったという。レッスンの最中、二胡でヴァイオリンのテキストを器用に弾いていた。

思いがけず珍しい楽器を初めて見た生徒さんと先生は、触ったり弾いてみたりして喜んでいた。2本の弦を5度で調律してあるそうで、奏法の基本的な構えや調弦の仕組みがわかると、音を出すだけならそれほど難しくない感じだった(あくまでも音を出すだけの話)。

実は私も二胡を持っている。数十年前の中国旅行の折、北京のワンフーチンの楽器屋さんで二胡を買ったのだ。どうやって弾くのかわからないため床の間の飾りにしたまま放置。弓毛は虫に喰われてボロボロ。楽器本体は木箱に蛇皮を貼ったシンプルな造りだから、まだ使えるかもしれない。近くに二胡を弾ける人がいるとは。楽器が壊れてなければ弾き方を教えてもらおうと思う。二胡を買った時、店員が試奏してくれたのだが、小さなボディから信じられないような大きな音が朗々と鳴ったのを思い出した。ああいう音は素人には出せないだろね。

ところで、ヴァイオリンを忘れてきた彼女に聞いた話では二胡の弓は毛替しないそうだ。弓を買い換えた方が安いのだとか。細い竹の棒に馬毛を張った簡単な弓だから消耗品扱いなんだそうだ。



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