チェロのレッスン 130 

1月初旬にやってしまったぎっくり腰。個人レッスンを長期間休むことになったが、ようやく再開した。1月6日以来となる今年2回目のレッスンである。この間、S先生は遠方に転居され、今後も時々こちらに戻って来て指導を続けられる予定だが、教室のチェロ指導者として新たにO先生が加わり二人体制で生徒を見てゆくことになった。というわけで今日はO先生の最初のレッスン。S先生より若い女性。チェロケースはピンク色のアコード。

曲目は個人レッスンでは5回目となるバッハ「無伴奏チェロ曲第2番」。プレリュードをとりあえず通して弾いてみた。O先生は私のフィンガリングをチェックされ、より平易に弾ける指使いを提案していただいた。私が使っている楽譜は横山真一郎さんの校訂譜だが、指の参考にしているのは主にジャンドロン版である。例えばジャンドロンの譜面では曲の冒頭のDを開放弦で弾くよう指示されているけど、O先生によるとG線4ポジの1の指で弾き始め、そのままポジション移動せずにしばらく続ける指使いがよろしかろうとなった。ジャンドロンではD、F、Aと続く3番目のAを取るときにポジション移動の距離が長くなる。それで私はAを探るように(若干グリサンド気味に)弾いていたのだが、ポジション移動ではなく移弦で対処する方が無難との判断。

他にもA線の開放弦はなるべく避けたいため移動距離が長くなるポジション移動をしていた箇所を、開放弦を混ぜてファースト・ポジションで弾くとか、音色よりも音程の取りやすさを優先するフィンガリングでプレリュード全体を細かく見ていただいた。私はファースト・ポジション2の指で取るA線のC、もしくは3の指で取るCisを1で取るのが苦手。音階練習では1で取れても、曲間でそういうポジション移動をすると不安定になるため安全路線でゆくことに。指使いは弾くたびに試行錯誤を重ねるから、しょっちゅう変わってゆくけど、プレリュードはひとまず確定。

その他の注意事項として、①左の親指がネックからはみ出る(=ネックを深く握りすぎる)時があるから、もう少し引っ込める。②スラーの途中でポジション移動するとグリッサンドみたいになることがあるから、移動しない指使いにする。もしくはスラーのかけ方を変えるか、どちらかで対処するのが望ましい(ポジション移動しても一発で正確な音程が取れればよいのだがアブナイ賭けになる)。③重音を弾く時には脱力しないと音が潰れる。特に最後の4重音は2つずつ重音を弾いてつなげるが、先に最低音を弾くために押さえた1の指は、高音側の重音を弾く時は弦から離してOK(私は音符4つ分の指を全部押さえたままの姿勢で弾いていた) ④必要がある場合は拡張型で広げた手の形をしばらく維持する(手を広げたまま維持するには筋力が必要。私は直ぐに指の力を抜いて間隔を狭め休めの体勢に戻してしまう)。⑤左の肘はもう少し高めにキープするのが好ましい(●十肩の後遺症で肘を高めにする姿勢を継続すると疲れるため、両肘を体側にくっつけたがる傾向あり)。⑥左手の指の曲げ具合にヴァイオリンの構えの癖が出ている(ヴァイオリンは40年、チェロは4年4ヶ月)。過去にS先生からも注意された問題点はなかなか抜けない。

自宅に戻ってからスラーをどうかけるかを再検討した。校訂譜はいろいろ。スラーのかけかたもバラバラ。一例として25小節から30小節あたりまでを比較すると、16分音符3つにスラーをかける版(ヘンレ、ジャンドロン、ベーレンライター、ウィーン原典版)、4つかける(カザルス)、5つ(フルニエ、トルトリエ)、6つ(シュタルケル)、8つ(ロザノフ)と様々である。横山さんの楽譜にはスラーの記入はない。私はスラーの中に16分音符が3つ、ないし2つを入れる、あるいはスラーを外してしまうなどの案を検討してみた。ポジション移動が入る箇所はスラーを切るとか、右手のボーイングに余裕を持たせたい箇所は短めのスラーにするとか、アップダウンを繰り返すギザギザ音型はスラーなしとか。幽玄なイメージがある曲とはいえ、低音部のリズムの刻みを意識して弾きたいと思っている。



(ジャンドロン)


ウィーン原典版


(カザルス)


シュタルケル


(トルトリエ)


(ロザノフ)



(フルニエ)



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