チェロ・アンサンブル #26

今日は毎月1回あるS先生が来られる指導日だった。メンバーの皆さんが来月都心で開催される発表会に出るため、そこで弾く曲目を重点的に見ていただいた。私はこの発表会には出ないのでチェロは弾かずオブザーバー的に眺めていた。最初にパッヘルベル「カノン」をやった。4番さん担当の通奏低音は「抜き足、差し足、忍び足」みたいな調子で弾かれている。もっと音の頭をくっきり弾かないとリズム感が曖昧になる。除夜の鐘みたいに打った瞬間が最強で徐々に減衰してゆくような感じが好ましいと提案しておいた。

32分音符が並ぶ難所は、理想を言えば全部の音をくっきり弾くのがいいけれど、実際はそうもいかない。ここでも頭の音はしっかり弾いて拍節感を重視し、他は軽く流す感じでもいいのではと思った。私が持っているヴァイオリン3本用の楽譜では、32分音符はスラーで繋がれている。チェロ用の編曲譜ではスラーはついてないけど、デタシェでカチャカチャ、ギシギシ弾く必要はないと思う。実際に鳴っている音は、かなりこんがらがって聞こえた。

こういう細かい音が混み合っている場面では弓元を使う方が弾きやすいと思うのだが、好んで弓先を使う人もいる。どうしてと聞いたら、その方が軽いから弾きやすいという。弓先を多用する場合は毛を弦にしっかり噛ませるために圧力がいる。これをやらないと上滑りした弱い音しか出ない。一方、元の方を使うと弓の自重で自然に噛みつくから操作しやすいが、抵抗感が増してくるから(結果的にチェロらしい太い音が出る)疲れるのかもしれない。

後半の難所であるト音記号でのハイポジションは、皆さん弾いた途端に息切れしてその後に滑らかに続かない様子。弾けた〜♪(一休み)再起動。ヨッコラショみたいな感じ。課題は山積しているが、あと一ヶ月で人前で弾くので頑張ってもらいたい。

同じ発表会では「風の名前を教えて」もやる。カノンの次にそちらを見てもらった。1番さんは緊張気味位で8分音符が出てくると焦って走りやすい。慌てず騒がずゆるゆる弾いたらいかがと提案しておいた。クレシェンド、デクレシェンドの記号はややオーバー気味に解釈して弾くぐらいで調度良くなる。レイトの人は元々ダイナミックレンジが狭いから十分以上にやって、お客さんにはそれらしく聞こえる結果になる。

最後は私も参加して以前から継続練習している「ピチカート・ポルカ」を見ていただいた。繰り返しの次に冒頭に戻る箇所で、皆さん思わず「次、どこ〜?」みたいに焦る傾向があった。まだまださらう箇所は多い。



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